台風や低気圧が原因となって発生する高潮。
でも具体的にどういった理由で高潮は発生するのか?津波や高波との違いは?いざ起きたときのために予備知識を学んでおいて、対処法などを理解しておきましょう。
目次
高潮とは?
高潮とは、”台風”や”低気圧”により海面が上昇する現象です。
よく高潮と間違われるのが津波ですが、基本的に地震を原因とするものを”津波”、台風や低気圧を原因とするものを”高潮”と区分されます。
昔はこの区別が曖昧で、全て津波と呼ばれていた程なので混乱するのも無理ないでしょう。
津波に関する詳しい内容は記載してますので参考にして下さい。
>津波とは何か?分かりやすく簡単に説明
高潮の説明の前に、”低気圧”の説明をします。
太陽で温められた海水は、水蒸気となり空気と一緒に上昇します。
この上昇した部分は、必然空気が薄くなります。
気圧とは空気の重さなので、この空気が薄くなった状態が低気圧です。
高潮は主に、”吸い上げ効果”、”吹き寄せ効果”、この2つにより起こります。
吸い上げ効果
これは、気圧の低下により海面が上昇する現象です。
要は、海面を押し付けている圧力が減ったので、その分だけ海面が盛り上がるということです。
日本の海面の一年の平均気圧は1013ヘクトパスカルです。ヘクトパスカルとは気圧の単位です。
正確な量は場所ごとに多少違うのですが、目安として1ヘクトパスカル下がるごとに1cm海面は上昇します。
吹き寄せ効果
これは、強い風が海岸へと吹くことにより、海岸付近の海面が上昇する現象です。
台風や低気圧による気圧の変化による風が要因となっているのが、高波との大きな違いです。
もちろん風が強ければ強いほど吹き寄せ効果は上がります。
これも正確には場所ごとに多少違うのですが、目安として海面の高さは風速の2乗に比例します。
風速が2倍になれば海面は4倍、風速が4倍になれば海面は16倍といった感じです。
ちなみに、吸い上げ効果よりも吹き寄せ効果の方が影響は大きいです。
高潮の発生場所
当然ですが、海岸や沿岸など海に近い場所で発生します。
日本は海に囲まれている国なので、高潮の発生率は非常に高い国です。
その中でも、南向きの、陸地に入りこんでいる海で多く発生します。
これは日本の台風の進路上、南に向いた太平洋へ海水が流れ込みやすいからです。
(出典:国土交通省)
具体的に多い地域は、三大湾(東京湾、伊勢湾、大阪湾)、周防灘、有明海、八代海、九州南部です。
また、奥に行くほど狭くなっている海岸でも多く発生します。
これは、海面の逃げ場が少なくなり、海水が多く持ち上がるからです。
簡単にまとめると、太平洋側(特に陸地に入りこんでいる海)で多く、日本海側で少ないです。
高潮による被害
被害で多いのは、海水が侵入する”浸水”や”冠水”です。
浸水は、物が水に浸ること(家や車など)。冠水は、普段水のない土地に水が浸ること(畑や道路など)です。
違いは水が浸る種類だけです。
また、海岸や沿岸など海に近い場所で発生する為、船の損傷や衝突も起こります。
漏電などにより火災に繋がる場合もあります。
高潮の被害をより大きくする現象が2つあります。”高波”と”満潮”です。
高波による被害の増加
高波は風によって波が高くなる現象なので、それが加わることにより高潮の被害が拡大します。
ちなみに、高潮は台風や低気圧による気圧の変化による風が要因となっているので、高波とはまた別です。
満潮による被害の増加
海面の水の高さは、半日の周期で変化します。
この時、海面の高さが最も高くなった状態を”満潮”といいます。
この海面の上昇が加わることで、高潮の被害が拡大します。
高潮の対策・対処法
高潮の主な原因となるのが”台風”と”低気圧”なので、これらの気象情報に警戒しましょう。
高潮発生時、安全な場所へ避難することが原則ですが、下手に外に出ない方が安全な場合もあります。大事なのは、その場所の想定される浸水の深さなどを事前に調べ、どのような避難行動をとるか決めておくことです。
自宅などの屋内に滞在する場合は、できるだけ高い場所に移動してください。
外にいる場合も同様、できるだけ高い場所に避難し、待機しましょう。
自宅が浸水している場合、危険なので家に中には決して戻らないようにしてください。
詳しい避難対策と自宅対策は下記ページに記載しているのでご覧ください。
>高潮が発生した時の避難対策と自宅対策!
次に”車に乗っている時の対策”です。
理想なのは、水の被害が少ない高い場所に車を移動し、水没を避けることです。
しかしこれは、まだ水深が浅いうちに限られます。
それ以外の突発的な洪水などでは車を運転するのは危険です。
車から脱出することを最優先に考えてください。
詳しい対処法の内容は下記ページ内に記載してますので参考にして下さい。