火山の近くに住んでいない方にとって、噴火は身近な天災ではないかもしれません。
しかし日本は火山の多い国なので、観光や登山などで火山付近に足を運ぶ機会もあるでしょう。
実際に火山が噴火したらどういった被害があるのか?そもそも噴火とは何なのか?是非当サイトを参考にしてください。
目次
噴火とは?
噴火を説明するにあたり、”火山”と”マグマ”の説明を最初にしておきます。
マグマ
マグマとは、”地下の岩石が高温で溶けたもの”です。
ちなみにマグマが地表に吹き出たものを”溶岩”といいます。
火山
”地下の溶けた岩石などが吹き出て作られた山”です。
”マグマが地上に吹き出す現象”これが噴火です。
”マグマの元となる岩石などが地上に吹き出した場合”も同様に噴火となります。
一般的にこの噴火とは火山で起こったものを意味しています。
地球の内部はとても熱く、地下で岩石がマグマへと変化します。
この中のいき場所をなくしたマグマが地面近くへと上昇し、噴火するのです。
噴火には様々な種類が存在します。
主に”○○式噴火”などと分類されるものですが、基本的にこれらは噴火の特徴や条件で分類されているだけです。
大きく分類される以下の”3種類”のみを説明します。
水蒸気爆発
地下の水が熱により蒸発して発生する爆発現象です。
古い岩石などの破片も出てくることもあるが、マグマは出てこないものです。
この水蒸気が主体となったもののみ、噴火とは区別され”噴気活動”と呼ばれます。
マグマ水蒸気爆発
マグマが直接水で冷され、その水が蒸発して発生する爆発現象です。
冷やされ固まり、爆発により粉々になったマグマも吹き出してきます。
言い換えれば、名前の通り水蒸気爆発と一緒にマグマも吹き出たものです。
「マグマ噴火」
マグマが上昇して地上に吹き出たものです。
マグマが熱いまま大量に吹き出る噴火がこれです。
噴火の発生場所
噴火は火山から発生するので、火山のある場所が噴火の発生場所となります。
そして、火山のできやすい場所というのは決まっています。
日本は火山の多い場所とされていますが、それは日本がこの”火山ができやすい場所”に位置しているからです。
世界の火山の多くは、”プレート”と呼ばれる地球の地下にある岩石の集合体の”境界”にそって存在します。
日本はこの4つのプレートの境界付近に位置する国なので、必然火山の多い国となるわけです。
日本は火山列島と呼ばれる程火山が多く、100以上の”活火山”が存在します。
活火山とは、現在水蒸気などが活発にみられる火山、またはおよそ1万年以内に噴火があった火山のことです。
ここでは中でも”特に活動度の高い13の活火山”のみを紹介します。
・十勝岳(とかちだけ)<北海道>
・樽前山(たるまえさん)<北海道>
・有珠山(うすざん)<北海道>
・北海道駒ヶ岳(ほっかいどうこまがたけ)<北海道>
・浅間山(あさまやま)<長野県>
・伊豆大島(いずおおしま)<※東京都>
・三宅島(みやけじま)<※東京都>
・伊豆鳥島(いずとりしま)<※東京都>
※行政区分では東京都とされているが、これら3つは全て伊豆諸島の島です。
・阿蘇山(あそさん)<熊本県>
・雲仙岳(うんぜんだけ)<長崎県>
・桜島(さくらじま)<鹿児島県>
・硫黄島(いおうじま)<鹿児島県>
・諏訪之瀬島(すわのせじま)<鹿児島県>
噴火による被害
火山が近くにない人にとって、噴火の被害は身近に感じられないかもしれませんが、非常に危険な天災の一つです。
火山は噴火の時期に入ると繰り返し噴火することも多く、被害が長期にわたることも多いです。
噴火による被害を”大きく3つ”に分けて説明します。
溶岩による被害
地表に吹き出たマグマは、”溶岩”に名称が変わります。
そしてこの溶岩が流れだしてくる現象を”溶岩流”と言います。
一般的にイメージする、赤いドロドロした液状の状態のものです。
およそ1000度の高温をもつ溶岩流は、山林や建物など、あらゆるものを焼き払います。
場合によっては都市全体を壊滅させる被害も想定されます。
社会的経済に大きなダメージを与えることが多いのがこの被害です。
その反面、”大きな人的被害が発生することはわずか”です。
非常に進行スピードが遅い為、歩くスピードでも避難が可能だからです。流れる方向もある程度予想できます。
なので海水などを使い、溶岩流の温度を下げて固まらせ、被害を防止できた例も多数あります。
火砕流による被害
マグマに溶けている様々な成分が気体となり、放出さたものを”火山ガス”と言います。
そしてこの火山ガスに溶岩の破片などが混ざったものが急速に流れてくる現象を”火砕流(かさいりゅう)”といいます。
簡単に言うと、高温のガスです。
この火砕流の温度は数百度あり、流れてくるスピードも時速数十キロから百数十キロあります。
通過した領域を焼き払う、火山による被害の中でも最も危険なものです。
この火砕流から身を守ることは、まず不可能とされています。
また、この火砕流の熱によって周囲の雪が溶けることによって水に変わり、土砂や岩石を巻き込み流れてくる現象を”融雪型火山泥流”と言います。
噴石(ふんせき)による被害
噴石は”噴火の際に飛び出す岩石の破片”なのですが、その大きさで”3種類”に分類されます。
直径約50cm以上のものは”大きい噴石”、直径2mm以上50㎝以下のものは”小さい噴石”、直径2mm以下の噴石は”火山灰”と定義されます。
大きな噴石でも数キロ離れた場所まで飛ぶこともあり、建物などを破壊します。
人体に当たると殺傷の恐れもあります。
火山灰はあらゆる場所に降り注ぎ様々な被害を発生させます。
農作物を枯らしたり、機械の故障などにも繋がります。
飛んでいる火山灰によって目や鼻、のどなど人体にも影響を与えます。
積もった火山灰に雨が加わると、ぬかるんで移動が困難になり、交通機関にも影響を与えます。
また、斜面に積もった火山灰に雨が加わると、土砂や岩石を巻き込み流れてくることがあります。これを”火山泥流”と言います。
融雪型火山泥流との違いは、熱で溶けた雪の水が含まれていないだけです。
噴火の対策・対処法
噴火による被害で説明した、”大きな噴石”、”火砕流”、”融雪型泥流”の3つは、避難する間もなく人々を襲います。
避難までの時間の猶予がほとんどない為、発生してからでは手遅れの可能性があります。
なので、”事前の避難や警戒が重要”です。
実際に噴火が起きた時は、全エリアが危険というわけではありません。
噴火警戒レベルや、自治体からの情報を基準に判断して下さい。
噴火から避難する際は、”火山灰への対策”が重要です。
火山灰の被害は、広範囲で発生します。
火山灰を吸い込まない
マスクの着用、ハンカチで顔を覆うなどの対策を行ってください。
最も適しているのは、防塵(ぼうじん)マスクです。固体の有害物質が体内へ入るのを防いでくれます。
皮膚を守る
火山灰に触れると皮膚が炎症をおこす可能性があります。
長袖や長ズボン、軍手などの着用で皮膚を隠して下さい。
避難の際、あらかじめ避難場所や避難経路を確認しておくとよいでしょう。
ハザードマップ(火山防災マップ)を入手しておくと非常に便利です。
活火山の過去のデータから、被害範囲などの予想も記されています。
噴火の被害は、長期に及ぶケースも珍しくありません。
避難グッズや非常用持ち出し品の確認もしっかりしておきましょう。
噴火対策には事前の情報収集ならびに非難グッズ・持ち出し品の準備が有効です。
特に登山をする方はなおさらです。
当サイトでは登山時に噴火が起きたときの対処法と対策をご紹介していますので、下記ページも参照ください。
>登山での噴火の対処法・対策、持ち物はコレ!
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