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予備知識

家庭用消火器の選び方と消火器の種類

投稿日:2017年11月14日 更新日:

消火器選び方

自宅で調理中やストーブの火が燃え移る、地震の二次災害で起きるかもしれない"火災"。

以前インターネット動画配信中にオイルマッチを使用し、大規模火災が発生したこともあって住宅で消火器を置いておこうという方が増えています。

 

しかし、実際消火器を買おうにもどういった基準で選べばいいの?と思う方も多いでしょう。
今回は消火器にはどのような種類のものがあるか、自宅にはどのような消火器を置けばいいのかをご紹介します。

目次

火災の種類について

消火器は3つの火災別に使える種類が決まっています。

(出典:株式会社初田製作所)

"ABC粉末消火器"という言葉を聞いたことがあるかもしれませんが、これは上記3つの火災の全てに使える消火器だということです。
店頭で消火器を見るとき、上図の表記でどの火災に対応しているかがわかります。

 

次に消火器の種類をご説明します。

消火器の種類

粉末消火器
粉末の消火剤が広い範囲に広がり火元を覆います。
一番一般的で消火能力は非常に高く、"ABCすべての火災に対応"します。
これを置いておけば間違いありません。
ただし、デメリットとして消火剤が飛散し消火後の掃除が大変、消火中に視界が悪くなるといった点があります。

(出典:福岡市消防局 ①粉末消火器の使い方)

 

強化液消火器
水性の消火剤で"ABC火災すべてに対応"しますが、"C(電気)火災には電気機器が壊れてしまう危険性があるので不向き"です。
消火液のかかった部分は鎮火されますが、粉末消火器にように広範囲には広がりません。
さらに粉末消火器に比べ、放射時間長いため持つのに力が必要です。
台所などの狭い範囲での消火にはおすすめです。

(出典:住宅用消火器 強化液)

 

二酸化炭素消火器
炭酸ガスで消火させるもので、消火した後に粉末や強化液のように消火剤の汚れが残らないのが最大の特徴です。
"C火災の電気火災に特化"し、向いていますが消火能力は劣ります。

(出典:強力二酸化炭素消火具「消棒®」 ~実践例~)

 

水消火器
名前そのまま、水が入っている消火器です。
小規模火災にはすぐに持っていけるといった面でメリットがあり、中には霧状に噴霧するものもあります。
"小規模のA火災向き"でそれ以外には向いていません。
中身は水なので入れ替えがすぐにできるのがメリットです。

化学泡消火器
アルカリ性・酸性の薬剤を化学反応させ発生した泡で消す消火器です。
"AB火災には向いていますが、C火災には感電の危険性があるので不向き"です。
さらに変質・腐食で1年ごとに薬剤の入れ替えが必要なので手間ですし、コストパフォーマンスにもあまりよくありません。

ハロゲン化物消火器
二酸化炭素消火器と同様に汚れを残さないため使用されていましたが、オゾン層破壊の原因となるため、原則使用が禁止されました。
消防法で設置許可が必要でコンピューター室、電話交換室などに限って使用が認められています。
家庭用には使用できません。

 

以上、6種類のタイプの消火器があります。
用途、設置場所によって選ぶと良いでしょうが、消火能力を優先的に考えるならば"粉末消火器"がおすすめです。

 

次に加圧式消火器と蓄圧式消火器の違いについて説明します。

蓄圧式消火器と加圧式消火器の違い

消火器には"蓄圧式"と"加圧式"の2種類があり、現在普及しているのは"蓄圧式"です。

加圧式消火器は容器が劣化・腐食によって破裂する事故が発生しており、2013年には各消火器メーカーは加圧式消火器の生産を終了しています。
現在、販売されているほとんどが蓄圧式消火器となっております。

 

どう違うのかを下記で説明します。

下図を参照ください。

(出典:ヤマトプロテック株式会社)

一番の違いは"蓄圧式は既に容器内に圧力がかかっていて、レバーを握ると放出"、"加圧式は上図の青色の○で囲った容器内のボンベがレバーを握ったときに開封され一気に圧力がかかり放出"といった圧力のかかり方の違いです。

加圧式消火器で事故が発生する理由として、青色の○で囲った容器内のボンベから劣化・腐食した容器へ一気に圧力がかかり、容器が圧力に耐えられなくなり破裂するといったケースです。
蓄圧式はすでに容器内にガスが蓄圧されているので劣化・腐食によって穴が開いていたとしてもそこからガスが抜けていくので破裂する危険性がありません。

 

蓄圧式消火器と加圧式消火器のメリット

加圧式は点検・取替をしていなければ現在も使用している家庭もあるかもしれませんが、生産中は製造コストが安価だったため各消火器メーカーも加圧式を中心に作っていました。

しかし、先ほど述べた破裂事故により2013年にはほとんどの消火器メーカーが生産を中止し、蓄圧式にシフトしていきました。
加圧式のメリットは当時の普及率と蓄圧式よりも安価に購入できる点です。

 

対する蓄圧式は加圧式に比べ、少々(500~1,000円ほど)値段が高く、少々重いですが、それを除けば加圧式に劣る点はありません。

「蓄圧式消火器のメリット」

・破裂する危険性がない

・レバーを離せば放出が止まる(加圧式は出っ放し)

・握るレバーも加える力は加圧式の1/4程度

・放射反動が少ない

このように品質面・安全面で遥かに加圧式に勝っています。

 

今後、粉末消火器を買う際は必ず蓄圧式消火器を選んでください。

見た目は上図の緑の○の加圧計の有無で違いがわかります。

 

家庭用におすすめの消火器2選

最後になりましたが、タイトルの"家庭用にどんな消火器を選ぶべきか"というところですが、これまでに述べてきたようABC火災に対応できる安全な"蓄圧式粉末消火器"がおすすめです。

 

いろんな消火器を見ると価格差が大きく、あまり安いものだと不安になるかもしれませんが"消火器は国家検定通らないと販売・陳列ができない"ので安すぎるものでも不安に思う必要はありません。
そこで現時点でのおすすめがこちらの消火器です。

①初田製作所:10型 粉末ABC対応蓄圧式消火器

[商品価格に関しましては、リンクが作成された時点と現時点で情報が変更されている場合がございます。]

2020年 消火器 10型 蓄圧式 ABC消火器 初田製作所 PEP-10N【ハッタ ハツタ】
価格:3580円(税込、送料無料) (2020/1/23時点)

楽天で購入

 

☑価格的にも品質的にも安心なのがこちらの消火器です。
☑メーカーも日本消火器シェアトップ3に入る初田製作所製。
☑3,000円以下の高コストパフォーマンス。
☑放射時間は約15秒でバケツ9杯分の消火能力。

こちらの商品は総重量約4.8キロで小柄な女性の方には重たいかもしれません。
消火能力には優れていますが、少々重たいのが難点です。

 

そこでおすすめなのが"エアゾール(スプレー)式"の消火器です。
初期消火用のスプレー型消火具です。

初期消火を防ぐことによって火災の80%は防ぐことが出来ます。

(出典:小型エアゾール式簡易消火具 「消棒miny®」 ~実践例~)

動画のようにスプレータイプの消火具になっており、初期消火でしたらこれがあれば十分です。

 

で、当ページでおすすめなのがこちらです。

②モリタ宮田工業:エアゾール式ファイヤーカット

使用方法は簡単!押すだけで一般的なスプレーと同じ。
☑価格も756円と低価格。
☑メーカーも日本消火器シェアトップ3に入るモリタ宮田工業製。
☑女性にも子どもにも簡単に使える。
☑収納にも場所をとらないので便利。

万が一のときのために消火補助器具として準備して欲しい商品です。
1本で不安なときは数本準備しておくとなお良いでしょう。

 

当サイトでは上記の蓄圧式粉末消火器1本とエアゾール式消火具を2本用意することをおすすめします。

 

いつのときも防災は"備えあれば憂いなし"です。
いざ起きたときのために対応できるように準備しておきましょう。

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