この記事は、実際に被害にあわれた体験者の方から送られてきた文章を元に当サイトが編集した内容となっています。
目次
実際に東日本大震災を体験した時の状況を教えてください
私は大学生のときに、東北地方で東日本大震災を経験しました。
あれは大学の教室で講義を受けているときでした。
はじめは小さな揺れがあり、あれ?地震かなと思っただけでした。
すぐに、私の友人が「やばい!逃げた方が良い!」と周りに大きな声を掛けました。
後日知ったのですが、その友人は過去に大きな地震を経験しており、初期微動(大きな揺れが来る前に来る小さな揺れ)で地震の規模を察知できたようです。
まもなくしてグラグラと大きな揺れが始まり、私は怖くなって講義中だったのにもかかわらずすぐに外に飛び出しました。
すると、走っている最中も地面がグラグラと大きく動き出し転びそうになりました。
外に出た瞬間に、ドーンという大きな音とともにかなり大きな揺れが起こりました。
この間10秒から20秒程度だったと思います。とても長い揺れに感じました。
大学施設の窓ガラスは次々に割れ、駐車場に停めてある車がまるでジャンプしているように飛び跳ねていました。
私はすぐに、この地震は大変な被害になるかもしれないと思いました。
まずは怪我がなく生きていることを家族に伝えなくてはと思い、すぐに家族に電話をしました。地震が起きて間も無かったため、運良く電話は繋がり家族に無事を伝えることができました。
そのあと私はすぐに自宅に戻りましたが、悲惨な状況でした。
本棚にあった本は散乱し、テレビが倒れ、壁に大きな穴が空いていました。
水道をひねってもどこかで水道管が破裂しているからなのか、水が出ませんでした。また電気も通っておらずライフラインがほぼ絶たれてしまっていました。
どうしようもない怖さに襲われ、自転車で10分ほど離れた友人宅へ転がり込みました。
幸い友人宅はライフラインがすべて繋がっており、しばらくの間居候させてもらうことになりました。
友人宅は電気が通っていたのでテレビを見ることができ、そのとき地震の規模の大きさがはじめてわかりました。
数時間経って、テレビに衝撃的な映像が映りました。そう、津波です。津波はみるみる街を飲み込んでいきました。
幸い私の住んでいたところは海から離れていたため津波の被害を受けることはありませんでしたが大きなショックを受けたことを今でも覚えています。
当サイトより
過去のご経験から初期微動で地震の規模を察知されたご友人に驚きました。
きっと過去に経験された大きな地震の初期微動と何か類似点を瞬時に感じられたんでしょうね。
普段当たり前のように使っている水や電気などのライフラインが絶たれる恐怖は私も経験したことがあるのでお気持ちはよく分かります。
そういった時だからこそ、周囲の人との助け合いはとても大事だと私も実感しました。
震災後実際に起こったこと・困ったことはありますか?
計画停電
計画停電があり真っ暗な中余震に怯えて過ごしました。私は友人と一緒にいたためまだましだったと思いますが、1人で真っ暗な中過ごすのはかなりつらいと思います。
デマ情報
津波の影響で人体に有害な化学物質が漏れ出したというデマ情報が拡散されました。後日デマ情報だと分かったのですが、外に出れず部屋の中でもマスクを着けて過ごしていました。
水不足
水道がいつ止まるか分からなかったので自衛隊の方々に水を分けてもらうため長時間並びました。まだ寒い時期だったのでかなり体が冷えたのを覚えています。
当サイトより
やはり震災後は水や電気などのライフラインを絶たれる被害が目立つようですね。
おっしゃる通り、そういった時に1人で過ごすのは余震などの恐怖で心も不安定になると思うので、誰かと一緒にいるだけで不安な気持ちもやわらげることができると思います。
有害な化学物質が漏れ出したというデマ情報は私も初耳だったので驚きました。
情報収集はとても大事なことだと思うのですが、そういったデマ情報もあるのだということを頭の隅においておくも大事かもしれないですね。
やっておいた方がよかった・気をつけた方がよかったと思ったことはありますか?
不安な時は誰かに頼ること
私は幸いにも友人宅に居候することができたのですが、不安なときに一人でいるのはものすごくつらいと思います。
もし頼れる誰かがいるなら頼った方が良いと思います。
普段からものを高い位置に置かないこと
私の住んでいた部屋は、本棚が倒れ壁に穴が空くほど悲惨な状況でした。もし自分が家にいたら高いところから落ちてきたものに当たって怪我をしていたかもしれません。万が一のときに備えて高いところに重いものや固いものを置かない方が良いかもしれません。
SNSの情報をそのまま信じないこと
化学物質汚染のデマ情報は当時メールで広がっていました。大切な人へ情報を伝えたいと思うほど、そのような危険情報は広く伝わってしまいます。特にSNSやネット上の情報は確かなものなのか疑いながら見るのが良いかもしれません。災害時はテレビやラジオ放送の方が正しい情報が多かったように思います。
水はいくらあっても困らない
あとから知ったのですが、災害時風呂場の桶に水を貯めると良いそうです。確かに水は何にでも使いますしいつ水道が止まるかもわからない状況だったのでなるべくたくさんの水をどこかに貯めておいた方が良かったのかもしれません。
トイレに困りました
震災で下水管が詰まり、水が流れなくなったので用を足すために近くの雑木林の地面を掘り簡易トイレを作りました。しかし、林に覆われているもののオープンスペースだったので夜暗くなるまで待って用を足しにいったのを覚えています。
揺れているときに走らない方が良い
私は被災した際に建物から走って外へ飛び出しました。運よく怪我はなかったものの、地面が大きく揺れているときに走るのはかなり危険な行為だったように思います。まずは自分の身を守って揺れが収まってから避難した方が自分にとっても周りの人にとっても良いかと思います。
非常時の連絡手段
私は地震後間もなかったため電話をかけることができましたが、数分後電話が繋がらなくなっていました。非常時はたくさんの人が電話やネット回線を利用するため何らかのトラブルが起きていたのではないかと思います。非常時にどのようにして連絡を取るか事前に決めておいた方が良いのかもしれません。
当サイトより
普段からネットの情報を見るのに慣れていると、たとえそれがデマであっても信じてしまう方は大勢いらっしゃると思います。
全てがデマにないにしろ、災害時などは特にテレビやラジオの情報を優先してとりいれることが大事だと思います。
災害時において水は本当にいくらあっても困らないと同時に、欠かせないものです。
非常用の水をあらかじめ用意していたとしてもいつ底を尽きるか分からないので、確保できる時に優先的に確保しておく必要があると思います。
災害時は電話が繋がらないなどの回線トラブルが多く発生するので、非常時の連絡手段を決めておくのはとてもいいことだと思います。
ちなみに多くの方が利用しているLINEは、東日本大震災の影響をうけて災害時の連絡ツールとしてつくられたものです。
あまり知られていないですが、既読やグループLINE、タイムラインなど機能のほとんどは災害時に活用できることを想定されてつくられた機能です。
準備しておいた方が良い・あると役に立つと思ったものはありますか?
電気が止まっても光るもの(ローソク・懐中電灯など)
停電で真っ暗な中いるのはすごく辛いと思います。電気が止まっても光を出してくれるもの、ローソクや懐中電灯などあれば不安を和らげられると思います。
当サイトより
おっしゃる通り、停電中はローソクや懐中電灯は非常に重宝します。
あとオススメなのは、お使いでしたらスマートフォンのモバイルバッテリーです。
スマホは連絡手段や情報収集の他にもライト機能を使い懐中電灯の代役としても使えます。
もちろん普段の日常でも使える品なので、常備しておくことをオススメします。
水・非常食
水はいくらあっても困らないんだなと実感しました。もし非常用に水を貯蓄できるなら水道が止まってもいくらかは安心かと思います。また、食べ物をお店で買うことができなくなるので非常用の食事を準備しておいた方が良いかもしれません。
当サイトより
非常食ももちろんそうですが、優先するならやはり飲み水となる保存水だと思います。
保存水と非常食を一緒に購入される際は、5年もつなら同じ5年もつものといったように、年数を合わせて購入されると新しいものに交換される際便利ですよ。
簡易トイレに役立つもの
水が流れなくなって一番困ったことは、トイレでした。林の中に穴を掘って簡易トイレを作りましたが、オープンスペースなことと排泄物の処理が埋めることだけだったので恥ずかしさと処理の難しさがありました。非常用の簡易トイレセットがあれば良かったと思います。今は、テント型の簡易トイレセットがあるので非常用に準備しておけば共用で使えるトイレとして役に立つと思います。
自転車
震災でガソリンスタンドに10時間以上の渋滞ができていました。そんなときでも自転車で少し離れたところへも行くことができたので役に立ったと思います。普段自転車を使わない方でも折り畳み式の自転車1台あれば移動手段として役に立つと思います。
当サイトより
水と電気は普段の生活で使わない日は滅多にないと思うので、やはりこの2つに関する悩みが多くでてくるのだと思います。
野外で簡易トイレを使用の場合、やはり周囲の目はどうしても気になると思うので、テント型の簡易トイレセットは非常に役立つと思います。
ガソリンスタンドに10時間以上の渋滞できたというのにはとても驚きました。
今回はご協力ありがとうございました。