豪雪と命名される規模の雪は頻繁に起こるものではありません。
しかし、発生すると重大な災害となる天災です。
豪雪とは何なのか?過去にどういった被害があったのか?いざ起きたときのために予備知識を学んでおいて、対処法などを理解しておきましょう。
目次
豪雪(ごうせつ)とは?
豪雪とは、”大雪注意報基準以上の雪”です。
それに加えて、”大雪により重大な災害が発生した”ものです。
基本的に、災害となった過去の雪を表す言葉なので、具体的な雪の量などの定義はありません。
なので警報や注意報で発表されるものでもありません。
警報や注意報は災害が予想される時に発表されるものだからです。
基本的には一時的な大雪ではなく、”長期にわたる大雪”により重大な災害が発生したものです。
この大雪注意報ですが、気象庁が発表する大雪注意報の基準は地域ごとに違います。
過去の大雪による災害の調査結果などで大雪注意報を発表する基準が違うからです。
なので正確には、その場所で大雪注意報基準に定められている以上の雪が”豪雪”です。
豪雪の発生場所
(出典:国土交通省)
日本では、国土の半分以上が豪雪地帯に指定されています。
これらの指定箇所が豪雪の発生確率が高い場所になります。
豪雪地帯(ごうせつちたい)
冬になると、”大量の雪が積もる地域”です。
これは、”豪雪地帯対策特別措置法”という”日本の法律に基づいて指定”されています。
この法律は昭和37年4月5日に制定されたものです。
この法律の”第一条”を基準に、”第二条第1項”によって豪雪地帯は指定されます。
”第一条”は、大量に雪が積もることによる影響とそれに対する改善を目的とした内容です。
”第二条第1項”は、第一条の基準をもとに豪雪地帯の指定を行う内容です。
※平成24年3月31日に豪雪地帯対策特別措置法の内容が一部改正されたが、第一条、第二条の内容に変更はない。
数値で言うと、累年平均の積雪積算値が”5,000cm以上”の地域。
その地域がある割合や基準を超えたりなど、一定の要件を満たす場合に豪雪地帯に指定されます。
豪雪地帯に指定されると、雪崩対策や道路整備といった様々な事業を行う上で支援を受けることができます。
特別豪雪地帯
その名の通り、”豪雪地帯よりもさらに大量の雪が積もる地域”です。
これも豪雪地帯と同様、”豪雪地帯対策特別措置法に基づいて指定”されます。
この法律の”第一条”を基準に、”第二条第2項”によって特別豪雪地帯は指定されます。
”第二条の第2項”は、豪雪地帯よりも雪が積もる量が多く、さらなる影響を与える場所を特別豪雪地帯に指定する内容です。
数値で言うと、累年平均の積雪積算値が”15,000cm以上”の地域。
その地域がある割合や基準を超えたりなど、一定の要件を満たす場合に特別豪雪地帯に指定されます。
累年平均の積雪積算値だけでみると、豪雪地帯の3倍の基準です。
最後にこれらの要因の元となっている”雪雲”が発生する簡単な流れを説明します。
日本海の周りには、温度の高い海水が流れています。
↓
この温度の高い海水に冷たい季節風が加わると水蒸気が立ち上ります。
↓
この季節風が水蒸気を吸い、水分を含んだ雲となり日本列島に運ばれていきます。
↓
その雲が標高の高い山脈などにぶつかると上昇気流により雪雲が発生します。
豪雪地帯にある発電所や鉄道、高速道路などにトラブルが発生した場合、”連鎖的に都市部にも影響”を与えます。
なので決してこれらの豪雪地帯だけの災害ではないということを覚えておきましょう。
豪雪による被害
実際に気象庁が正式に豪雪と銘打ったのは今までで”2件”です。
”昭和38年1月豪雪”と”平成18年豪雪”です。
それ以外にも豪雪と呼ばれてるものはありますが、それはこれらにならって呼ばれたものです。
昭和38年1月豪雪
1962年(昭和37年)12月末から1963年(昭和38年)2月にかけて発生した記録的豪雪です。
北陸地方を中心に東北地方から九州にかけて広い範囲で被害が発生しました。
38(さんぱち)豪雪とよく呼ばれる日本で最も被害が発生した豪雪です。
特に影響があった地域では積雪が3m以上にも達しました。
こうなると基本的に家の1階は全て雪で埋もれてしまいます。
なので当時被害にあった地域では多くの方が2階の窓からの出入りをしていました。
またこの雪の重みにより、家や施設など様々な建物も破壊されました。
これにより”全壊した家は700棟以上”に達します。
孤立してしまった人々も多く発生し、”200名以上の死者”が発生しました。
雪がおさまった後も、大量の雪の影響で雪崩や洪水も多く発生し、洪水などによる”浸水の被害は6,000棟以上”に達しました。
その他交通障害や通信障害も多く発生し、膨大な被害を与えた記録的豪雪となりました。
平成18年豪雪
2005年(平成17年)12月から2006年(平成18年)2月にかけて発生した豪雪です。
北陸地方を中心に広い範囲で被害が発生した昭和38年1月豪雪以降気象庁が命名した2度目となる豪雪です。
06豪雪(ぜろろくごうせつ)、18豪雪(いちはちごうせつ)などとも呼ばれています。
この豪雪では主に12月から1月上旬にかけて暴風を伴った大雪が降りました。
これにより12月の積雪の量の最大記録が各地で更新。
積雪の高さに関しても最大記録となる4m16cmが観測されました。
平成18年豪雪で最も目立った被害が除雪中の人的被害です。
大雪の勢いが低下した後も、長期にわたり大雪が度々発生したことがその主な原因の一つです。
また、高齢化により若者の数が減少したため、体力の衰えた高齢者が除雪作業をしなければならなくなった現状が犠牲者を拡大させたのがもう一つの主な原因です。
この除雪中の人的被害を含めた”負傷者の数は2,000名以上”。
全壊まで至った家は少なかったですが、”4,000棟以上の家に一部損壊”の被害も発生しました。
その他昭和38年1月豪雪と同様に、雪崩や洪水、交通障害や通信障害と、多くの被害を発生させた豪雨となりました。
豪雪の対策・対処法
豪雪の原因となる雪は、ある程度の予想が可能で、時期も決まっています。
気象予報に注意し、事前に準備しておくことが大切です。
豪雪になると、様々な”交通機関がマヒ”します。
すると、地域によっては物が買いにいけなくなります。
なのである程度の期間自活していける生活用品が必要になってきます。
予報などを参考に、食料など必要な生活用品を揃えておきましょう。
また、停電や断水などで様々なライフラインが停止する可能性もあります。
懐中電灯の準備や、生活用水を確保(浴槽に水を張るなど)を事前におこないましょう。
詳しい準備対策や避難対策は下記ページに記載しているのでご覧ください。
>豪雪による雪害の準備対策や避難・外出時の注意点
豪雪で最も注意しなければいけないのが”除雪作業”です。
平成18年豪雪で説明した通り、雪下ろしなどの除雪作業による人的被害は豪雪時多く発生します。
もちろんこれは豪雪時に限ったことではありません。
しかし雪による重みは家を壊す原因となるので、除雪作業をしないわけにもいけません。
除雪作業の注意点
作業時は近所などにも声をかけ1人で行わないようにしてください。
孤立してしまった時などもしもの時のために、携帯電話を持っておくとよいでしょう。
除雪作業の中でも最も危険なのが屋根の上から行う”雪下ろし”です。
作業時はヘルメットなどで頭を守り、動きやすい服装で行いましょう。
大変すべりやすいので落下の恐れを考え周囲の雪を残しておいてください。
できれば命綱をし、ハシゴの固定はしっかり行ってください。
詳しい除雪対策と注意点は下記ページに記載しているのでご覧ください。
>雪害で除雪作業を行うための対策や注意点
豪雪は雪が降り終わってからでも油断は禁物です。
洪水などの二次災害が発生する場合もあるので、十分な安全が確保できるまで油断しないようにしましょう。
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